法人と個人事業主の違い

個人事業主とは、法人を設立せず、個人で事業を継続して行っている人のことを指します。税務署に対し個人事業の「​開業届」を提出して事業開始を申請すれば、個人事業主と名乗ることができます。フリーランスという働き方も、個人事業主の一種に分類することができます。
独立する際に個人事業主と法人で悩む人が多いようですが、そもそも双方にはどういった違いがあるのでしょうか。

先述した通り、個人事業主は税務署に「開業届」を提出すれば事業を開始できますが、法人を設立する場合、税務署への法人設立の提出のほか、資本金の支払いや登記・定款の作成など、複雑な手続きを踏む必要があります。

個人事業主と法人では、税金の仕組みにも違いがあります。
個人事業には累進課税が適応され、所得が高くなればなるほど税率が高くなります。反対に控除は少なくなり、必要経費として認められる項目も法人と比べて少ないです。利益が出た場合、収入の約50%を所得税として徴収されるケースもあります。
法人には所得税はありませんが、代わりに法人税を収める必要があります。ただし、法人税は所得の15~25.5%程度で、所得税と比べると税率が緩やかです。

社会的信用度は、個人事業主より法人の方が高いといわれています。
法人を維持できているということは安定しているとみなされるため、社会的信用が高くなります。企業のなかには、法人としか取引しないというところもあるため注意が必要です。

このように、はじめやすいのは個人事業主ですが、後々のことを考えると、法人の方がメリットは大きいといえます。そのため個人事業主としてスタートし、ある程度資金が貯まったら、法人化を検討する人も多いようです。
もちろん上記で述べた以外にも法人化に必要な手続きや準備は複数存在するため、法人化を検討する際は事前にしっかり調べておいたほうがよいでしょう。