節税効果や社会的信用度の高さなど、個人事業主が法人化するメリットは多々あります。しかしメリットばかりではなく、注意点もあるため、そちらも勘案した上で法人化するかしないか決めることが大事です。
注意点の1つは、設立に費用がかかることです。
個人事業主の場合は、税務署に開業届などを提出するだけでよく、費用がかかりません。しかし法人化する場合は、会社設立費用だけでも株式会社で約25万円、合同会社で約10万円が必要と言われています。
さらに資本金も用意する必要があります。資本金が0円でも法律上起業することは可能です。しかし資本金は会社の運転資金であり、会社の信用に関わるため、ある程度まとまった金額が必要でしょう。一般的には、初期費用と3ヶ月売上がなくても問題ない程度の金額と言われています。
注意点の2つ目は、事務作業が増えることです。
個人事業主よりもやらなければならない事務作業の量は増え、作業も複雑化します。特に法人税申告書の作成は税法に関する知識がないと難しいです。そのため税理士に依頼することが多く、それにも費用がかかります。
注意点3つ目は、社会保険への加入義務が発生することです。
個人事業主のときは、従業員が4名以内であれば社会保険への加入義務がないため、国民健康保険や国民年金などに加入していた方がほとんどでしょう。しかし法人化すると、自分一人だとしても社会保険に加入しなければなりません。保険料は会社と折半ですが、それでも個人事業主のときより月々の支払金額が上がります。
法人化すると、このような点に注意しなければなりません。しかし事業が軌道に乗っているのであれば、これらのデメリットを補えるメリットがあるため、法人かも良い選択といえるでしょう。